水道管の紹介と水道管の更新
水道管の紹介
水源や浄水施設、配水施設などの施設をつなぐ水道管について紹介します。
目的別の水道管の種類
種類 |
起終点の施設 |
口径 |
材質 |
導水管 |
水源(川や井戸)から浄水施設まで
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800ミリメートルから75ミリメートルまで
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主に、ダクタイル鋳鉄管、ポリエチレン管、塩化ビニル管、ステンレス管
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送水管 |
浄水施設から配水施設まで
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配水管 |
配水施設から住宅地まで
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水道管の老朽化
本市の水道事業は、昭和39年11月から通水が開始され、令和6年11月をもって60年が経過しました。この間、腐食やゴムの劣化等の老朽化が進行したことで、漏水が生じています。
口径75ミリメートル以上の水道管は、管内を流れる水量が多いため、漏水が生じたときの被害は甚大なものになります。また、個別に生じた漏水であれば、短期間での修理が可能ですが、地震に伴う同時多発的な漏水となった場合には、被害や修理期間は計り知れないものとなります。
令和2年と令和5年には、老朽化により下の写真のような漏水が発生しました。
(左写真)口径400ミリメートルのダクタイル鋳鉄管に穴が開いたことによる漏水(令和2年)
(右写真)口径500ミリメートルのダクタイル鋳鉄管の付属施設のボルトが破断したことによる漏水(令和5年)
水道管の更新と耐震化
本市では水道管路更新計画を策定し、優先順位を定めたうえで、耐震性能を有する耐震管への入れ替えを進めています。
採用している耐震管の種類
口径 |
種類 |
200ミリメートル以上 |
GX形またはNS形ダクタイル鋳鉄管 |
150ミリメートル以下 |
配水用ポリエチレン管 |
GX形またはNS形ダクタイル鋳鉄管の特徴
ダクタイル鋳鉄管は、硬い金属製なので管自体が伸びたり曲がったりすることはありませんが、管の継ぎ目が伸びたり曲がったりする構造で抜けにくくなっています。
なお、ダクタイル鋳鉄管におけるGX形やNS形とは、管をつなげる継ぎ目の構造の種類を示しています。
配水用ポリエチレン管の特徴
配水用ポリエチレン管は、柔らかい樹脂製なので管自体が伸びたり曲がったりします。また、管の継ぎ目は部材同士を熱で溶かすことで一体化しています。
今後の課題
本市が管理する水道管は道路の下などに網目のように張り巡らされていて、総延長は約352キロメートルにもなります。これは、JR東海道新幹線の東京駅から名古屋駅までの区間に相当します。
耐震化率は約33パーセント(約117キロメートル(令和5年度末時点))で、JR東海道新幹線の東京駅から三島駅までの区間に相当します。残りの約67パーセント(約235キロメートル)は、まだ耐震性能を有していません。更新には多くの期間と費用がかかる見込みです。