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香林寺阿弥陀一尊板石塔婆、心字座板石塔婆、阿弥陀一尊板石塔婆
香林寺阿弥陀一尊板石塔婆、心字座板石塔婆、阿弥陀一尊板石塔婆(仁治二年銘)
宮鼻に所在する香林寺には3基の板碑が所在していました。
阿弥陀一尊板石塔婆は2基所在しています。1基は地上高71センチメートル、最大幅41.5センチメートルあり、阿弥陀如来の立像を半浮彫りで表し、「光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨」(無量寿仏の光明はあまねく 十方世界を照らし 念仏の衆生を 摂取して捨てない)という「仏説無量寿経」の一節とともに、「仁治二(1241)年」の銘が刻まれた、市内はもちろん比企郡内でも最古級の板碑です。
もう1基の阿弥陀一尊板石塔婆も同じく阿弥陀立像を半浮彫りで表現していますが、紀年銘が確認できず、造立年は不明です。
心字座板石塔婆は地上高90センチメートル、幅38~42センチメートルの板碑で、胎蔵界大日如来を表す種字(ア)を刻む板碑で、紀年銘は確認できません。通常板碑には仏そのものや大切にしている仏の教えを主尊として中央に刻みますが、その際には、主尊を「蓮座」と呼ばれる蓮の花の上に描くことがほとんどです。「心字座蓮座」はこの蓮座の一種で、漢字の「心」の字のような造形を持つことからこの名がついています。この造形を持つ板碑は市内に3基のほかは志村延命寺(東京都板橋区)に所在する建長4(1252)年銘の1基のみで、極めて例の少ない資料です。
阿弥陀一尊板石塔婆(仁治二年銘)
阿弥陀一尊板石塔婆(仁治二年銘)拓影
阿弥陀一尊板石塔婆
阿弥陀一尊板石塔婆拓影
心字座板石塔婆
心字座板石塔婆拓影
所蔵
下野本528-1(東松山市埋蔵文化財センター)
指定年月日
香林寺阿弥陀一尊板石塔婆
香林寺心字座板石塔婆
昭和49年(1974年)7月10日指定(東松山市指定文化財-考古資料)
香林寺の阿弥陀一尊板石塔婆(仁治二年銘)
昭和60年(1985年)7月17日指定(東松山市指定文化財-考古資料)