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板石塔婆(妙昌寺)、妙昌寺の板石塔婆
板石塔婆(妙昌寺)、妙昌寺の板石塔婆
神戸に所在する妙昌寺は、縁起によると、日蓮上人が佐渡に配流になった際に青鳥城に一泊し、それをきっかけとして弘安4年(1281年)に青鳥城主・藤原利行が開基となって、日仙上人が開山したとされています。
埼玉県指定文化財に指定されている板石塔婆は「日蓮上人供養板石塔婆」とも呼ばれ、地上高159センチメートル、最大幅40センチメートル、厚さ7センチメートルあり、現在は妙昌寺祖師堂脇に他の板碑とともに安置されています。碑面に「南無妙法蓮華経」の七字題目が日蓮宗独特の筆法(髭題目)で線刻された「題目板碑」で、貞和2年(1346年)10月13日に日願上人が、日蓮上人65回忌に当たり、26人の有志(結衆)とともに建立したことが、銘文からわかります。題目板碑の傑作としてよく保存されていて、市内における日蓮宗信仰の一端を知る重要な資料です。
妙昌寺にはこのほか文和3年(1354年)から永禄12年(1569年)にかけて造立された、計20基の板碑が残されていて、これらは東松山市の指定文化財に指定されています。中でも文明13年(1481年)銘を持つ題目板碑は、「南無妙法蓮華経」「南無日蓮大聖人」の文字の周りに持国天をはじめとする四天王などの諸天仏をすべて文字で記した特徴的なものです。様々な題目板碑を一堂に見ることができるほか、妙昌寺を拠点として市内で連綿と続いた日蓮宗信仰の在り方を示す一群として重要です。
妙昌寺の板碑群
板石塔婆(妙昌寺)
板石塔婆(妙昌寺)拓影
文明13年銘板石塔婆
文明13年銘板石塔婆拓影
所在地
神戸1221(妙昌寺)
指定年月日
板石塔婆(妙昌寺)
昭和40年(1965年)3月16日(埼玉県指定文化財-考古資料)
妙昌寺の板石塔婆
昭和38年(1963年)2月18日(東松山市指定文化財-考古資料)