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カタクリの群生地
カタクリの群生地
カタクリはユリ科の多年草です。山林の特に北に面する斜面地に群生します。東松山市内のカタクリは3月下旬~4月上旬にかけて薄紫色の小さな花を咲かせ、わずか数週間で散ってしまいます。また花は荒天時には開かず、晴天の日の朝日を受けて広がり、夕暮れには閉じてしまいます。花が枯れると果実ができ、中にとても小さな種ができます。種はアリが運ぶことで広がりますが、その種が再び花を咲かせるまでには8年から9年もの年月がかかります。カタクリの地下茎は深く、鱗茎(球根のようなもの)が作られます。この鱗茎が栗の身の片割れに似ていることから、「片栗」と名付けられたと考えられています。また鱗茎からは良質なデンプンが採取でき、片栗粉の原料として利用されました。かつては里山に生育する、ごくありふれた植物でしたが、片栗粉の原料としての乱獲や、開発によって生育に適した斜面地が失われていった結果、現在では多くの都道府県で絶滅危惧種に指定されるまでに数を減らしてしまいました。希少な自生地を守るため、昭和60年(1985年)、東松山市指定天然記念物に指定されました。
動画で見るカタクリ(約4分)
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場所
西本宿2447
指定年月日
昭和60年(1985年)7月17日(東松山市指定文化財―天然記念物)